美容室開業ガイド
必要資格・届出・開業資金・機材選びまで
美容室開業のすべてを完全解説
必要な資格
美容師免許
美容室を開業するには、まず美容師免許が必須です。免許取得には美容師国家試験に合格する必要があります。
取得条件
- 1. 高等学校卒業後、都道府県知事指定の美容師養成施設で所定課程を修了
- 2. 美容師国家試験(筆記・実技)に合格
国家試験の合格率:2024年度春期は88.1%、秋期は55.0%。試験は年2回(春・秋)実施されます。
管理美容師資格
常時2名以上の美容師が在籍する美容所では、管理美容師の配置が美容師法で義務付けられています。
取得条件:美容師免許取得後3年以上の実務経験を経て、都道府県知事指定の講習を受講・修了
保健所への届出・構造設備基準
美容室を開業するには、保健所に開設届を提出し、構造設備について検査を受けて基準に適合する必要があります。
手続きの流れ
事前相談(工事開始前)
計画図面を持って管轄保健所へ相談。改善要請があっても工事前なら追加費用なしで修正可能。
開設届の提出
営業開始希望日の10日前までに必要書類を提出。立入検査の日程が決定します。
立入検査・確認書発行
保健所職員による立入検査で基準を満たせば確認書が発行され、営業開始可能。
提出書類一覧
- ● 開設届
- ● 構造設備の概要
- ● 従業者名簿
- ● 医師の診断書
- ● 美容師免許証の写し
- ● 登記事項証明書(法人の場合)
主な構造設備基準
作業室の面積
13平方メートル以上。美容椅子は6席まで。それ以上は1席ごとに3平方メートル追加が必要。
待合スペースの区分
作業室と待合スペースはつい立等で明確に区分。可動式カーテンは不可。
床・腰板
コンクリート、タイル、リノリウム等の不浸透性材質であること。
洗髪・消毒設備
上下水道に直結した流水装置と消毒設備の設置が必須。
開業資金の相場と内訳
開業費用の内訳(1,000万円の場合)
運転資金も忘れずに:開業後の固定費(家賃・人件費・光熱費等)を3〜6ヶ月分、約150万〜200万円を別途準備しましょう。
必要な機材・設備
シャンプー台
高級品は100万円超。中古なら半額以下で入手可能。
セット椅子(スタイリングチェア)
高級品は15万〜20万円。デザイン性と座り心地を重視。
ミラー・セット面
照明付き、収納付きなど機能性で価格が変動
パーマ機材(促進器)
デジタルパーマ機は50万円〜
ワゴン・収納
施術道具を収納するキャスター付きワゴン
消耗品・材料
シャンプー、カラー剤、パーマ液、タオル等
設備費用を抑えるポイント
- 1. 居抜き物件を活用し、既存設備を引き継ぐ
- 2. 中古機材・リース契約を検討
- 3. 開業支援パッケージを利用(内装工事+設備セットで割安)
開業届・税務関連の手続き
開業届(個人事業の開業届出書)
個人事業主として美容室を開業する際に税務署に提出する基本書類です。
青色申告承認申請書
青色申告特別控除(最大65万円)を受けるために必要な申請書。開業届と同時提出がおすすめです。
青色申告のメリット
- ・最大65万円の特別控除
- ・30万円未満の設備を一括経費計上可能
- ・赤字を3年間繰り越し可能
- ・家族への給与を経費計上可能
その他の届出(条件により必要)
給与支払事務所等の開設届出書
従業員を雇用する場合、事務所開設から1ヶ月以内に提出
青色事業専従者給与に関する届出書
配偶者や親族の給与を経費計上する場合に必要
資金調達・融資制度
日本政策金融公庫の創業融資
政府100%出資の金融機関で、実績のない新規開業者でも融資を受けやすいのが特徴。美容室開業で最も利用される融資制度です。
新規開業・スタートアップ支援資金
生活衛生新企業育成資金
有利な条件で借りられるケース
- ・女性、30歳未満、55歳以上の方は特別金利(特利A)が適用
- ・生活衛生同業組合の組合員は特利Cで有利に利用可能
融資審査のポイント
必要な準備
- ・創業計画書(事業計画書)の作成
- ・自己資金の証明(通帳コピー等)
- ・美容師としての実務経験(3年以上推奨)
- ・具体的な集客計画・売上計画
審査で重視されること
- ・公共料金・クレジットカードの支払い実績
- ・開業動機と事業への熱意
- ・顧客基盤(既存客の見込み)
- ・返済計画の現実性
目安:自己資金100万円程度で最大1,000万円程度の融資が可能。審査期間は申込から2〜3週間程度。